2012年02月14日
「知覚過敏」という言葉は、テレビのCMでもよく耳にします。冷たいものを口にした時、歯を磨いている時などに、むし歯でない歯が瞬間的にしみたり、不快な症状のことです。
今回はこの「知覚過敏」のメカニズムを知り、痛みや不安を解消しましょう
Q1.むし歯じゃないのになぜ歯がしみるの
知覚過敏は主に①歯ぎしり ②くいしばり ③強いブラッシング による歯と歯ぐきへのダメージから起こります。歯の大部分は象牙質というデリケートな組織で作られており、歯の刺激は象牙質を通って神経へと伝えられます。健康な歯は硬くて丈夫なエナメル質を健康な歯ぐきが表面を覆って守っているので、しみることはありません。しかし、強いブラッシングは歯ぐきの退縮やエナメル質の摩耗を招き、また歯ぎしりやくいしばりは、その強い力によって歯と歯ぐきの境目に余計な負担をかけ、歯の表面に亀裂ができたり、歯ぐきが下がって象牙質を露出させてしまいます。その結果、象牙質は少しの刺激でも敏感に反応し、しみる症状がでるのです。
Q2.知覚過敏の治療ってどんなことをするの
症状によって治療方法も変わります。
・薬を塗る … 薬で象牙細管をふさぎ、刺激を伝わりにくくする。
・歯の一部を削ってつめる … 強いブラッシングで歯が削れた場合
・神経をとる … 重度の知覚過敏の場合
Q3.知覚過敏を予防することはできないの
一度退縮してしまった歯ぐきや減ってしまったエナメル質は元には戻りません。歯ブラシの毛先がすぐ開いてしまう人はブラッシングが強すぎる証拠です。歯と歯ぐきをチェックし、正しいブラッシング方法を身につけましょう。早めに気付くことが自分の歯と歯ぐきを守る第一歩。歯ぎしりやくいしばりをする人は、マウスピースを入れて寝ることをお勧めします。また市販されているフッ素入りの歯磨き剤を使用したり、むし歯予防のフッ素ジェル使用すると歯質が強化されます。
Q4.ちゃんと治療したのにその後も歯がしみるのはなぜ
虫歯の治療の後もはがしみることがあります。これはむし歯の部分を取り除いた分だけ神経に近くなるので、冷たいものなどの刺激が神経にすぐ伝わるからです。また金属を詰めた場合、元の象牙質に比べ熱が伝わりやすいので、しみる感じも強まります。歯は神経を守ろうとして新しい象牙質(第二象牙質)を作るので、これが形成されればしみなくなります。それまでの期間は様子をみるようにしましょう。
あまり歯がしみるのを我慢せず、早めの対応をおすすめします
まるめ歯科へどうぞ
歯科衛生士 手嶋